私のおばあちゃんの話

私のおばあちゃんは、私が大学を卒業して勤務医になった年に 90歳で突然亡くなりました。

病気などほとんどしたことがなく、元気だったのにお風呂場での事故死でした。
ただ、いつも膝が痛いと言っていたので、小学生の頃から学校の帰りにいつもおばあちゃんの家により、買い物をしてあげていました。

 

買い物をして、レシートとお釣りを渡すと、決まってお釣りは私の手に戻してくれました。
買い物の後、いつもお茶を入れてくれて、ニコニコしたがら、お菓子をたくさん出してくれるのですが、そのお菓子のどれもが、かすかにショウノウの匂いがしていました。 きっと、防虫剤を入れて、虫が付かないようにしていたのでしょう。

漬物をいつまでも、入れ歯をコクコク音をたてながら、しゃぶっていました。
私が大学生の時、同居している伯父が、おばあちゃんを歯科医院に連れて行き、新しい総入れ歯を作ってもらったことがありました。

しかし、すぐに慣れるはずもなく、痛がるおばあちゃんの口の中をみてびっくり!

顎の骨などまったくなく、むしろ凹んだ溝にひも状の入れ歯がズレて入っていたのです。

「おばあちゃん 卒業したら、噛める入れ歯作ってあげるから ちょっと待っていてね。」

おばあちゃんは、ニコニコしながら、黙って何度もうなずいていました。

そのころは スナック菓子の 「たこ焼き亭」がお気に入りで、必ず数袋買ってありました。

きっと、入れ歯が調子良くないので、たこ焼き亭を口の中でふやかして 味を楽しんでいたのでしょう。

 

それなのに、約束を果たす前に 急に亡くなってしまいました。

おばあちゃんの影響で、私も「たこ焼き亭」が大好きですが、もう売っていないので寂しいです。

根っからの信州人! 漬物は大好きで、漬けるのも上手でしたが、本人はしゃぶっていただけで・・・・

 

漬物を食べさせてあげたかったです。

野沢菜が食べられる入れ歯を入れてあげたかったです。

 

その思いで、総義歯に取り組んでいます。

色白のおばあちゃんに会うと、思い出します。

きっと、若い時には苦労なさっただろうな~~と思います。

大勢のおじいちゃん おばあちゃんに 漬物が食べられる入れ歯を

入れてあげたいな~~と思いながら、取り組んでいます。